
KMSAドイツ特派員(?)から、Bonn大学の数学科についてレポートします。
Bonn大学の数学科は右のような建物で建物はメインのものだけで東大の数学棟ぐらいあります。さらに3階建の別館も隣にあります。下のHPにBonn大学がらみの研究科について述べてあります。
http://www.mathematics.uni-bonn.de/
どうやら他にもたくさん研究科があるらしいのですが、大きすぎて僕にはとても把握しきれません。ただ、代数と幾何が強い大学らしいです。
ドイツでは博士号を持っているととても尊敬されると聞いています。英語で他人を紹介するときは敬称(Mr.とかMrs.とか)をつけるので、博士号を持っている人を紹介するときは必ず「Dr.名前」という風になります。日本では博士というとMadなイメージが強い気がしますが、ドイツではそんなことは全くなく、逆に誇り高い地位を表しているような印象を受けます。当然Prof.はもっとすごいです。
ドイツの博士課程の学生やPDを見ていても、日本と違って変人は見当たりません。聞いた話によると、ドイツでは大学も含めて全て学費が無料なため、選抜が厳しく、高校の途中で大学に進めるかどうかが決まり、成績の悪い人は職業学校に回されるそうです。つまり、大学に来ている時点でエリートであり、博士課程の学生ともなればすごく特別な人だそうです。だからか、ドイツの学生は皆人間性もよくできています。親切なのはもちろん、とても爽やかで、自分の悩みや疲れを他人に見せたりもしません。暗い話は絶対にしないです。逆に、愚痴をこぼしたりすると励ましてもらえるらしいです。もちろんProf.も爽やかな紳士です。
ドイツの博士に進む人は人間性が優れているので、会社にも優先的にとってもらえるそうです。この前一緒に食事した先生(非常勤?)は、会社に勤めているらしいのですが、社員は全員博士号を持っているらしいです。だから一人の先生に博士の学生がたくさんついています。先生は忙しいのであまり面倒を見てもらえている感じはないですけどね。
それに比べて日本では博士が全く尊敬されなくて残念です。どうして日本で数学者というと変人ってイメージが強いんでしょうかね?マスコミが面白がって変人ばかりを取り上げるのが問題なのかもしれませんが・・・。一部の日本人数学者には、変人ぶるのではなく、もっとProf.やDr.という称号に誇りを持って行動してもらいたいものですね。
ドイツからのレポートでした。